「補聴器用空気電池を交換したのに、音が出ない」
寒くなると、このようなお問い合わせを良く頂きます。
これは空気電池の構造上、周囲の温度と湿度の影響からおきる問題です。
電池式補聴器に使われている空気電池は使用前にシールが貼られています。
このシールを剥がすと、「孔」と呼ばれる穴があり、空気電池はこの孔から空気を取り入れて、放電する仕組みです。
また、電池は化学物質で構成されています。一般的に化学物質は寒いと活動が鈍り、温かいと活発になります。
冬場に電池を買えたのに、電源が入らない、電池寿命が短い原因は、環境温度が大きく関係しています。
そこで、冬の補聴器のご使用上の注意点ですが、
①新しく電池を入れる際は、手のひらや指の腹を使い体温で電池を温めてからご使用ください。
②寒い季節では、空気孔から空気を取り入れる時間を少し長めにしてください。
通常1分程度で使用できますが、もうすこしお時間を置いてください。
③補聴器も体温で温めてあげてください。
補聴器自体が冷たくなっていると電池も冷たくなることがあります。体の一部と思って、温めてあげてください。
また、狭い部屋に大勢の人がいたり、閉めきった部屋で石油ストーブなどを使うと、空気中の二酸化炭素の濃度が増加します。空気電池は二酸化炭素により劣化しやすいので、換気を十分に行いながら、お使い頂ければ幸いです。