『補聴器とは』
補聴器は、きこえを補う医療機器です。
ご自身の「きこえ」を活かして、必要な音や声を聞くためのものです。
低下した聴力を補うことで日常生活のコミュニケーションがスムーズになり、楽しい毎日を過ごすことができます。
『補聴器の仕組み』
補聴器の役割は、聴力が低下した方の「きこえ」を補うことです。
補聴器の基本的な仕組みは、4つの基本部品から成り立っています。
音を拾う部品、音を増幅・制御する部品、音を出す部品、そして電源というもので構成されています。
各部品について詳しくご説明します。
【マイクロフォン】
音を拾う部品は補聴器のマイクロフォンです。周囲の音を捉えて電気信号に変換します。
【アンプ】
音を増幅・制御する部品は、アンプです。この部品はマイクロフォンから送られた信号の出力(音量)を大きくします。特殊なフィルターとイコライザを備えており、使用者にとって必要な音声信号だけを増幅します。
【レシーバー】
音を出す部品はレシーバー、別名スピーカーです。マイクロフォンとアンプで制御・加工した電気信号を音声に変換して使用者が聞こえるようにします。
【電池】
電池は補聴器のエネルギー源です。通常、補聴器には様々なサイズの補聴器専用電池を使用します。補聴器専用電池は、通常5日間から14日間の使用が可能です。電池の寿命は、電池のサイズ、使用状況、補聴器の器種、使用環境、使用時間など、多くの条件によって変わってきます。最新のモデルであれば、充電式も登場しており、交換の手間が大きく省けるようになりました。
簡単に言えば、補聴器は、入って来た音を機械的に大きくして伝えるものということがいえます。
ただし、最新の補聴器は、マイクロフォンで拾った音を単純に大きくするということだけではなく、拾った音を細かく分析し、さらに、制御・加工して、会話を聞きやすくするという機能も持っています。
音を制御・加工することで、大きすぎる音を抑えたり、雑音に感じる音をできるだけ抑制したり行います。
補聴器は、耳穴型、耳掛け型、様々なタイプがありますが、基本的な仕組みは変わりません。
『補聴器の効果』
加齢によって聴力が低下してしまったとき、残念ながら医学的な治療は難しいと言われています。
一度低下してしまった聴力を補聴器によって完全にとり戻すことは出来ませんが、低下した聴力を補うことで日々の不安が解消され、日常生活のコミュニケーションがスムーズになり、活動的な楽しい毎日を過ごすことができます。
また、不要な雑音を抑えたり、騒がしい場所でも聞き取りやすくなり機能が付いている機種もあります。
補聴器の効果①【会話が聞き取りやすくなります】
会話が聞き取りやすくなることにより、ご家族とのコミュニケーションが改善したり、聞き心地が良くなると外出の機会が増えたりする方もいらっしゃいます。
補聴器の効果②【話し相手が聞きやすい声で話せるようになります】
難聴の方が話をすると、必要以上に大きい声になったり、逆に聞こえないような小さな声になったりすることがあります。これはご自身の声が聞き取りにくいことで起こります。補聴器を装用するとご自身の声も、きちんと聞こえ、声の調子や発音が大幅に改善されます。
補聴器の効果③【小さい音量でテレビを見られるようになります】
補聴器を装用することで聞き取りが向上し、今までよりも小さい音量でテレビの音声を聞くことが出来ます。現在であれば、スマートフォンやタブレット端末やアクセサリーを使用するとテレビと補聴器がつながるモデルもあり、もっと日常を楽しむ事が出来ます。
『補聴器は両耳装用が効果的です』
耳は目と同じで両方の耳に付けることで方向や距離感を認識できます。
言葉の聞き取りも向上し、他にも多くの効果が期待できます。補聴器は両耳装用がおすすめです。
音声理解
聞く対象を選択するのが簡単になり、会話に集中しやすくなります。
音の方向感
音がどこから来ているかをより確実に判別できます。これは、社交の場や賑やかな通りで役立ちます。
音の区別
1つの補聴器では、さまざまなノイズや単語が同じように聞こえる傾向があり、聞きたい声を区別するのが難しくなります。
音質
ステレオがラジオよりも優れているように、2つの補聴器は音質を向上させ、聞き取りを改善します。
脳への刺激
脳は両耳から等しい入力音を得ることを好む傾向があります。
それによって聴覚損失の辛さを軽減することができます。
楽に聞けること
各耳に合わせてプログラムされた補聴器を両耳装用することで、片耳だけの場合よりも疲れにくく、緊張が少なく、満足感を得られることが多いのです。