誰かの補聴器が「ピー」とか「プー」という音や口笛のように聞いたことがありますか?
補聴器からこのような音が鳴ることを「ハウリング」や「フィードバック」といいます。
補聴器を付けている方も付けていない方も気になる音です。
補聴器のハウリングは、
補聴器が正しくフィットしていないか、出力が大きいという2つの理由で起こります。
補聴器の構造において、音を拾うマイク、音を出すレシーバー(スピーカー部)が搭載されています。
レシーバーからの音が耳から漏れ出し、補聴器のマイクによって再増幅され、ピーピーといった甲高い鳴き声が発生します。
日常でもカラオケなどでマイクをスピーカーのそばに近づくと同じ現象が起こりますが、補聴器も原理的には同じです。
補聴器のハウリングは、補聴器のイメージダウンの大きな要因でした。
補聴器と聞いてハウリングが煩いと聞いた方もいるかもしれません。
しかし、これは20年以上前の知識です。
以前は、耳から音が漏れないように、型や補聴器のシェルで耳を塞いでいました。
これはハウリングを防ぎましたが、望ましくない影響も引き起こしました。
装用者にとって、自分の声が樽や洞窟にいるようなこもったり響いたりするように聞こえました。
その後、音のこもり感を軽減する為のベント技術(通気孔)が出来て、閉塞感を減らすことができました。
各補聴器メーカーで、補聴器内部のチップ(CPU)にて音漏れを感知し相殺させる技術がどんどん進化し、オープンフィットの軽いつけ心地で特に高音域の聴力のサポートが可能になりました。
今日、補聴器はハウリングのキャンセル回路により、補聴器を楽しむことができます。
もう一つの利点は、聴力がその後低下した時に再調整で音量をアップしたいときでも、ハウリングすることなく、補聴器の出力を増やすことができます。
ただし、補聴器の出力を強くすればするほど、ハウリングの可能性が高くなります。
補聴器を手の中で握りしめた時になってしまう事は構造上仕方がありません。
補聴器のハウリングキャンセルシステムを調整時に設定しております。
調整スタッフが、「耳に中を音で計測します」など、言って「ジー」という音を調整時にすることがあります。
これがハウリングキャンセルシステムの設定になりますので、チェックされてみてはいかがでしょうか?